所属
弘前大学人文社会科学部
専門・研究紹介
生態人類学
東アフリカの牧畜社会を対象に、民族紛争や難民生活について調査してきました。紛争がおきるメカニズムを明らかにし、予防につなげたいと思っています。このプロジェクトでは、平和を愛するふつうの人々が、状況が変わると紛争をおこすようになるという、人間の普遍的な性質について、進化心理学などの知見も取り入れながら考えます。
対象(フィールド、調査地)
エチオピアおよびケニアの牧畜社会
おもな著書/論文
- 曽我亨「「稀少資源」をめぐる競合という神話:資源をめぐる民族関係の複雑性をめぐって」『自然の資源化 (資源人類学 第6巻)』内堀基光, 松井健 (編) 弘文堂, 2004年.
- 曽我亨「感知される「まとまり」:可視的な「集団」と不可視の「躊躇」の間」『集団―人類社会の進化』河合香吏 (編) 京都大学学術出版会, pp. 203-222, 2009年.
- 高倉浩樹, 曽我亨『シベリアとアフリカの遊牧民』東北大学出版会, 2011年.
- Soga T. Refugee life as an extension of pastoral life: Survival strategies of the Gabra Miigo pastoralists in Southern Ethiopia. Nilo-Ethiopian Studies, 16: 13-27, 2011.
- 曽我亨「国家を生き抜く拠点としての生業―牧畜民ガブラ・ミゴの難民戦術」『グローバリゼーションと<生きる世界>』松井健, 名和克郎, 野林厚志 (編) 昭和堂, pp. 389-426, 2012年.
- 曽我亨「制度が成立するとき」『制度―人類社会の進化』河合香吏 (編) 京都大学学術出版会, pp. 17-35, 2013年.
- 曽我亨「他者が立ち現れるとき」『他者―人類社会の進化』河合香吏 (編) 京都大学学術出版会, pp. 65-86, 2016年.
- 太田至, 曽我亨(編著)『遊牧の思想』昭和堂, 2019年.
ひとこと
人間は社会的動物というが、相互に社会性を発揮することを前提とした(あるいは強調した)社会のあり方は、発達障害などの困難を抱える人にとって暮らしにくいものになっている。人間は社会性動物だと称揚するばかりでなく、社会性の限界も考えてみたい。
関連HP
http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/jinbun/course05/