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分担者

中川尚史 naofumi nakagawa

クラスター:霊長類学クラスター

所属

京都大学大学院理学研究科

専門・研究紹介

霊長類社会生態学。現在、他大学を含めた多くの研究者と一緒にニホンザルの性行動、社会行動の種内変異を、環境や遺伝子との関連で調べる研究プロジェクトを進行中である。具体的には、抱擁行動の有無、ならびに抱擁の型の地域変異を環境でも遺伝子でも説明できない文化的変異と解釈する一方で、1 回の交尾に要するマウンティングの回数や時間長の地域変異が環境適応で説明できること、社会の持つ寛容性の地域変異が攻撃性と関わる遺伝子と関連があることが分かりつつある。寛容性については、その関連形質と合わせてヒトとの平行進化現象と捉えることを試みている。また、やはりヒトとの平行進化現象と捉えているパタスモンキーの長肢化について、新たにガーナ・モレ国立公園で調査を開始した。

対象(フィールド、調査地)

  • ニホンザル(金華山と屋久島)
  • パタスモンキー(ガーナ・モレ)

おもな著書/論文

  • 中川尚史『サバンナを駆けるサル-パタスモンキーの生態と社会』京都大学学術出版会, 2007年.
  • Nakagawa N., Nakamichi M., Sugiura H. (Eds.) The Japanese Macaques. Springer, 2010.
  • 中川尚史『“ふつう”のサルが語るヒトの進化と起源』ぷねうま舎, 2015年.
  • 辻大和, 中川尚史(編著)『日本のサル―哺乳類学としてのニホンザル研究』東京大学出版会, 2017年.
  • Nakagawa N. Despotic wild patas monkeys (Erythrocebus patas) in Kala Maloue, Cameroon. American Journal of Primatology, 70: 238-246, 2008.
  • Nakagawa N. Feeding rate as valuable information in primate feeding ecology. Primates, 50: 131-141, 2009.
  • Nakagawa N., Matsubara M., Shimooka Y., Nishikawa M. Embracing in a wild group of Yakushima macaques (Macaca fuscata yakui) as an example of social customs. Current Anthropology, 56: 104-111, 2015.
  • 中川尚史「” ふつう” のサルとヒトの平行進化: 類人猿からは見えてこない人類進化論」『現代思想』44: 63-75, 2016年.

ひとこと

フィールドで霊長類の行動を観察し、フィールドで思索することで、課題を見つけること、それこそがフィールドワークの醍醐味だと思っています。若い人もぜひその時の快感を味わってください。

関連HP

http://jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp/nakagawa/index.html